てぃーだブログ › おきなわワールド NEWS! › 文化の話題 › 国内初 旧石器時代の貝器発見

2014年02月15日

国内初 旧石器時代の貝器発見

本日、沖縄県立博物館・美術館によるサキタリ洞遺跡の発掘調査に関する記者発表が行われました。
あらたな大発見の研究成果が報告されました。

※おきなわワールドに隣接するガンガラーの谷のサキタリ洞(通年ケイブカフェとして利用)では、
毎年、沖縄県立博物館・美術館が主体となって、旧石器時代の人類化石と彼らの営みの痕跡を
求めて発掘調査を継続して行ってきました。


「ガンガラーの谷」ブログ
記者発表の様子
http://gangala.ti-da.net/e5934711.html


・沖縄タイムス 電子号外
国内初 旧石器時代の貝器発見


・朝日新聞 電子版
国内初 旧石器時代の貝器発見


・共同通信社 電子版
国内初 旧石器時代の貝器発見


・読売新聞 電子版
国内初 旧石器時代の貝器発見


・毎日新聞 電子版
国内初 旧石器時代の貝器発見




以下、各新聞社電子版からの記事です。
↓↓↓


『2万年前の貝器出土 サキタリ洞で国内初』(沖縄タイムス 電子号外)

県立博物館・美術館(安里進館長)は15日、南城市玉城前川の観光施設「ガンガラーの谷」内にあるサキタリ洞遺跡で、
2万3千~2万年前(旧石器時代)の地層から、貝製のビーズ(装飾品)と道具、人骨が見つかったと発表した。
旧石器時代の遺跡から貝器が出土するのは国内初。また、人骨と道具が同じ年代の地層から出土した国内最古の例になる。
 同遺跡では2012年に、1万4千年前の地層から石器と人骨が発掘され注目されたが、今回の成果はさらに年代を更新した。
 港川人とほぼ同じ時期に、同遺跡に人が住んでいた可能性を示す。
現場は、港川人が発見された八重瀬町の港川フィッシャー遺跡から雄樋川を上って約1・5キロのところにある。
 同館は2009年にサキタリ洞遺跡の発掘調査を開始。13年には県内最古(約9千年前)の土器が発掘されるなど、港川人の時代(約2万年前)と縄文時代(約6千~7千年前)をつなぐ成果が続いている。



『沖縄で旧石器時代の貝器発見 国内初、日本人起源論迫る』(朝日新聞 電子版)

 日本最古の人骨が密集する沖縄地域のサキタリ洞遺跡(沖縄県南城市)で、
約2万年前の旧石器時代の貝製道具(貝器)が国内で初めて見つかった。
県立博物館・美術館が15日、発表した。同時に人骨も出土し、
骨と道具がそろった国内最古の例となる。
骨はあるのに文化遺物が出ないといわれた沖縄旧石器時代の謎を氷解させ、
人骨と道具の両面から日本人起源論に迫る成果だ。

 出土したのはマルスダレガイ科やクジャクガイなどの貝の破片約40点。
道具の証拠となる使用痕が確認できた。同じ地層から人間の歯と足の骨も出た。
同じ層の木炭を測った放射性炭素年代をもとに計算すると2万~2万3千年前の値が出た。
ツノガイの破片2点はビーズのように使ったとみられ、旧石器時代では国内初の貝製装飾品だという。

 サキタリ洞遺跡の南1・5キロの八重瀬町からは、国内で唯一全身骨格がそろう「港川人」が見つかっている。
今回の貝器の時期もほぼ同じで、当時の人類が身近な貝を利用して環境に適応した生活を営んでいた様子がうかがえる。



『沖縄 サキタリ洞遺跡を公開 「旧石器解明に重要」』(共同通信 電子版)

 沖縄県立博物館・美術館(那覇市)は15日、国内で最古となる
旧石器時代の貝製の道具や装飾品が見つかったサキタリ洞遺跡(同県南城市)を報道陣に公開、
「古い地層が残されており、旧石器文化を解明する手がかりになる」と学術上重要な遺跡であると強調した。

 二枚貝を割って一部を鋭くした貝製の道具とビーズ状装飾品は、
石灰岩の洞穴内の地表から約70~80センチ下にあり炭化物を多く含む黒い地層から出土した。
人骨のほか、カニの爪やネズミなどの骨、焼けた形跡のある土も一緒に見つかっている。

 博物館は2015年度も調査を続け、旧石器時代の人類文化の解明を進める。



『後期旧石器時代の貝器、沖縄・サキタリ洞遺跡で出土』(読売新聞 電子版)

沖縄県立博物館・美術館は15日、同県南城市のサキタリ洞遺跡で、
約1万9000年~1万6000年前(後期旧石器時代)の、貝を加工した道具「貝器」が出土したと発表した。
同時代の「貝器」の発見は国内初。同館は沖縄に独自の貝器文化が存在していた可能性が高いとみている。

 洞穴の深さ約50センチの層から貝器の貝片25点が見つかった。成人の奥歯1本、足の甲の骨も出土した。
年代は同じ層の木炭の放射性炭素年代測定で特定した。

 貝器のうちアサリ、ハマグリの仲間の二枚貝は、幅1~3センチ、長さ約2センチの扇形に割られ、
短辺の縁を鋭く研いだ跡があった。使用痕もあり、物を切ったり削ったりする道具と判断した。
装飾品とみられる円筒形のツノガイ2点、食料のイノシシの骨やカニのハサミの化石も見つかった。
南東1・5キロで発見された国内最古の全身骨格・港川人みなとがわじん(1万8000年前)は同時期。
この港川人を縄文人の祖先とする日本人のルーツ論が有力だったが、
本土の石器文化と違う貝器文化が存在したことは、この論に見直しを迫るものとなる。



『旧石器時代:沖縄で貝器出土 国内初 2万年前の地層から』(毎日新聞 電子版)

沖縄県立博物館・美術館(那覇市)は15日、同県南城市のサキタリ洞遺跡で約2万年前の地層から
国内初となる旧石器時代の貝器(貝の製品)の破片と人骨が出土したと発表した。
見つかった貝器は道具や装身具。石器が出土しない沖縄では日本本土と異なり、貝を道具に利用していたことが判明した。
これまでの国内での貝器出土は縄文時代以降で、旧石器時代の文化の多様性を考える上で極めて重要な発見といえる。

 遺物は洞窟内の調査区(約8平方メートル)で2012~13年に確認。出土した木炭の放射性炭素年代から
1万9000~1万6000年前(実年代2万3000~2万年前)の地層と分かった。

 出土した貝の破片は39点。遺跡の洞窟は海岸から離れており、全て人為的に持ち込まれたとみられる。
うち道具と判明したのは二枚貝のマルスダレガイ科20点、クジャクガイ3点の計23点で、いずれも2~4センチ程度。
貝を割って加工し扇形にそろえた物が7点あり、たたいて整形した跡や、何かを削るのに使った線状の傷跡もあった。

 装飾品は細長い筒状をしたツノガイ類の破片2点(1~1.5センチ)。内側に人為的にこすった跡があり、
縄文時代の全国各地の類例から、ひもを通すビーズ状の装飾品と判断した。残りの貝の破片は用途不明。
人骨は大人の臼歯(2センチ)と舟状骨(4~5センチ)の2点が見つかった。

 これまでの国内最古の貝器は湯倉洞窟遺跡(長野県)など約1万2000~1万年前の物だった。
沖縄の旧石器時代遺跡では人骨は出土するが、石器は同じサキタリ洞遺跡で約1万2000年前の物が見つかっただけ。
このため沖縄に旧石器文化はないとする見解もあった。

 調査を担当した山崎真治・同館主任は「遺跡のある沖縄南部は石器に使える硬い石材がない。
身近な貝を道具に使ったのだろう」と話している。18日~3月16日、同館で展示する。【大森顕浩】

 ◇ことば【サキタリ洞遺跡】
沖縄県南城市の洞窟内にある遺跡。2009年度から調査を開始し、11年に約1万2000年前の人骨と石器が出土。
同一遺跡で人骨と石器がセットで確認された国内最古の例となった。
13年には沖縄県内最古となる約8000年前の土器片も見つかっている。







同じカテゴリー(文化の話題)の記事
ブクブク茶を体験!
ブクブク茶を体験!(2020-03-02 09:19)

機織りに設計図!
機織りに設計図!(2020-02-21 12:51)

沖縄で売れないもの
沖縄で売れないもの(2020-02-07 14:27)


Posted by おきなわワールド at 20:49 │文化の話題